『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版のシナリオエディタで制作した新しいシナリオ『ウィザードリィ・オブ・ザ・デッド』(Wizardry of the DEAD)を、先日正式に公開した。
新シナリオエディタで生み出した作品としては2つ目、通算では6本目の自作ユーザーシナリオである。(現時点で制作途上のシナリオ『黙示録の創世神』『リルガニアの栄光』は除く)
最初に断っておこう。
今回のシナリオは、王道を邁進する正統派Wizardryとは対極に位置する異色作だ。
え? じゃあ過去の5作品の中に正統派Wizardryを名乗るに値するシナリオがあるのかって?
……君のような勘のいいガキは嫌いだよ
ゾンビ襲来! 生き残れ!
深刻な不況と人口の流出に苦悩する地方都市――リビングデッド市。衰退の一途を辿る寂れた街が、突如として出現した《屍者》の群れによって地獄と化した。
増え続ける《屍者》に蹂躙される生存者。封鎖された旧市街に取り残された市民たちは、絶望的な状況下で生き延びることができるのか?
古今東西のゾンビ映画でも定番の設定となっている、いわゆる「ゾンビ・パンデミック」を題材にしたパニックホラー展開特化のシナリオとなる。
一般的なWizardryでは、拠点となる「街」と「迷宮」を行き来しながら攻略を進める。――だが、本シナリオでは開始早々、プレイヤーキャラクター(市民)はゾンビ(屍者)に襲われた「旧市街」に閉じ込められており、クリアアイテムを入手するまで封鎖された市街地から抜け出すことはできない。
経験値? レベルアップ? そんなものはありませんよ!
本シナリオの最大の特徴は、通常のWizardryにおける「経験値」や「レベルアップ」の仕様を完全に排除した点にある。
戦闘で敵モンスターに勝利しても「経験値」を獲得せず、プレイヤーキャラクターが「レベルアップ」することはない。どれだけ戦闘を繰り返し修羅場を潜っても、未来永劫「レベル1」のままだ。
なお、呪文詠唱職の「魔法使い呪文」「僧侶呪文」についても一切習得することはない。
当然ながら、初期状態のままで順調に探索を進められるほど甘くはない。必然的に、レベルアップ以外の方法でプレイヤーキャラクターの能力強化を図ることとなる。
「特性値」や「HP(ヒットポイント)」を増加させる何らかの手段を見出し、さらには入手する各種アイテムを最大限に活用するのだ。
シナリオ完全クリアまで数時間で終わる短編です!
攻略の対象となるマップ数は「1つ」だけ。アイテム総数は「44個」、その中で商店に売却可能なアイテムの数は「28個」となっている。また、モンスター図鑑は1ページのみ。登録されるモンスターの数は「10種」という超短編仕様だ。
全ての称号(2つ)獲得、ならびにアイテム&モンスターのコンプリート達成まで、初見でもおよそ「4~5時間」程度のプレイ時間で到達できるはず――だ。
他の長編大作ユーザーシナリオの合間にでも、気軽にプレイしてみてほしい。