『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版シナリオエディタを用いた、ユーザーシナリオ制作講座。今回は「第2回」となる。
前回「シナリオプロットの作成」から「シナリオデータの登録」までの流れが完了したところで、いよいよ本格的なシナリオ制作作業に入る。手始めに、シナリオエディタ上で自作シナリオの基本的な「ゲームルール」を設定する。
シナリオエディタのページ上部メニュー「シナリオツール」から、サブメニューの「ゲームルール設定」を開き、以下の10項目を適宜設定してゆくのだ。
メッセージ/アイテム
ゲーム内で表示される「イベントメッセージ」は、とりあえず日本語限定とする。(※英語圏プレイヤー向けの翻訳作業は、後日検討)
「全サーチ」系のアイテム入手イベントで、地上商店の在庫確認を必須とする。この設定なしの場合、アイテムを売却すれば再度イベントが発生し、当該アイテムを無限に入手できてしまう。
「呪文抵抗」「属性抵抗」「状態抵抗」の魔法効果は、装備して初めて発動するように設定。つまり単に所持しているだけでは恩恵を受けられない。(※全て【装備不要】に設定すれば、裸忍者の活躍機会が増える――かもしれない)
アイテムに付与された「呪文」や「スペシャルパワー」は、そのアイテムを所持していれば一切の制限なく誰でも使用可能とする。(※呪文やSPの使用条件を【装備必須】とすれば、「職業/種族/性別」ごとの能力の差別化に寄与する。どういった仕様を採用するのかは、全てシナリオ制作者の裁量次第だ)
NPC/魔法関連
「魔法関連」の上4つの設定については、基本的に全てチェックを入れておく。そうでないと、呪文の「独自仕様」を設定できない。
「魔法ボーナスあり」にチェックを入れ、スペルユーザーの知恵が高いほど、攻撃呪文の威力(与ダメージ)が上昇する仕様とする。
「レビテイト」の呪文&アイテムの魔法効果「自動発動:浮遊」の、敵モンスターによる先制攻撃を完全に防ぐ効果を外す。強力すぎるからだ。
「呪文の覚えやすさ」を「18~20」に設定しておく。レベルアップ時に「呪文を覚える」確率が、初期設定の状態よりも上昇する。
戦闘システム/宝箱
「戦闘の直接攻撃設定を変更」をチェックし、職業ごとの攻撃回数を詳細に設定できるようにする。
モンスターの先制ブレスを禁止する。先制ターンでブレスを喰らい、そのまま全滅することはなくなる。
モンスターの呪文レベル「11」と「12」の呪文ポイントが減少しないように設定することで、特定の呪文を延々と詠唱し続けるモンスターを作成できる。
ブレス攻撃によって「マジックスクリーン」の呪文抵抗率が減少する度合いを調整する。
「宝箱の罠を変更」をチェックし、罠の種類や威力の変更を可能にする。
(別途、詳細設定が必要)
種族&職業
「レベルアップに必要な経験値を変更」をチェックし、職業別の「レベルアップ必要経験値」を自由に設定できるようにする。
魔法効果AUTO/辞典/その他
「モンスター図鑑に弱点表示」をチェックすることで、モンスター図鑑が不完全な状態(弱点一覧のみ表示されない)になることを防ぐ。
「モンスター図鑑」の最後尾に位置するモンスターの[No.]を指定しておく。モンスター[No.000]を起点とし、ここに入力された「モンスターNo.」までが番号順に図鑑に並ぶ。つまり、合計で【入力した数値+1体】のモンスターが図鑑に掲載される。
ステータス画面でアイテムの詳細を確認する際、地上商店における当該アイテムの「在庫数」を表示させる。アイテムの魔法効果「店主の声」と同様の効果をシステム的に発動させる機能だ。
種族と職業の設定
種族&性別の組み合わせごとの「能力値(特性値)」の初期値を「0~19」で設定する。
「レベルアップ」ならびにアイテムの「スペシャルパワー」使用による「能力値(特性値)」上昇分の上限値を「10~19」の間で設定する。
今回のシナリオ設定の場合、純粋なレベルアップにより能力値が「初期値+10」まで上昇し、さらにアイテムのスペシャルパワーを使用することで「初期値+12」まで上昇する。すなわち「初期値+12」が、このシナリオにおける「能力値(特性値)」の最大値だ。
各職業が初期状態で所持しているアイテムの種類については、「アイテムデータ」の作成後に設定する。
呪文を覚える初期値と召喚呪文
キャラクター作成時の「初期習得呪文」と、3つの「召喚呪文」ならびにアイテムの魔法効果「特殊召喚」で呼び寄せるモンスターの種類については、呪文データやモンスターデータの詳細設定を済ませてから設定する。
直接攻撃の設定
職業別の「攻撃回数」に関わる設定値を入力する。なお「サブ」については「二刀流攻撃あり」を設定済みの場合に限り影響する。
攻撃回数の上限 ―― その職業に固有の攻撃回数の最大値
攻撃回数の上昇レベル ―― この倍数のレベルごとに攻撃回数が上昇(※例として「3」ならば、レベル「3/6/9/12 …」で上昇)
レベル1の攻撃回数 ――「レベル1」の時点における攻撃回数
アイテムの魔法効果「攻撃回数(+)」の影響を加味した上での攻撃回数の上限値を設定する。(※各職業ごとの上限値を超えて機能する)
直接攻撃時の「射程の概念」や「奇襲攻撃」を無効化する場合には、当該項目にチェックを入れる。
レベルアップに必要な経験値
「レベルアップに必要となる経験値」を独自設定に変更する場合、各職業ごとに任意の数値を入力する。(※上記の例では、「基本職」「上級職」の2系統で設定)
城塞都市の設定
「地上施設の名称」を独自に設定する場合、対象施設の名称欄に任意の名称(日本語/英語)を入力する。
基本的な「ゲームルール設定」はこれで完了だ。
現時点で未設定の「キャラクター作成時の所持アイテム」「キャラクター作成時の習得呪文」「召喚呪文」の3つに関しては、関連するデータ設定を終えた後に行う。
次回は、「呪文リスト」を設定する作業に移る。