『ウィザードリィ外伝 五つの試練』シナリオエディタ講座【第10回】マップ構造の作成

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版シナリオエディタを用いた、ユーザーシナリオ制作講座。今回は「第10回」となる。

迷宮探索の舞台となる「フロアマップ」の各種設定を入力し、さらには具体的な「マップ構造」の作成に着手する。

フロアマップ設定の入力

シナリオエディタのページ上部メニュー「フロア設定」をクリックして設定画面を開く。

画面上部は「フロアマップ」に関連する各種の設定、画面下部では「マップ構造の作成」や「イベントデータの設定」を行うといった構成になっている。

※シナリオエディタの機能アップデートにより、現在は画面構成の上下が入れ替わっている

では早速、それぞれの「フロアマップ」単位の設定事項から入力してゆこう。ちなみに、今回のサンプルシナリオの迷宮は「三層構造」になっており、フロアマップが「3つ」存在するため、各マップに対して個別に以下の設定を入力する必要がある。

階層名」には、その「フロアマップ」の名称(日本語&英語)を入力する。

グラフィック」で設定するのは、そのマップの見た目要素だ。

」でフロアマップの基本的な壁面(ならびに床&天井)の種類を選択し、「」「天井」では、それぞれの「第二パターン」を適用する際のサブグラフィックを指定する。

フロア難易度」については2つの設定項目が存在するが、「魔法セット」は「魔法効果AUTO」のシナリオに限り必要となる項目であるため、今回は設定しない。

難易度(箱/数/逃)」は、以下の3つの要素に影響を与える。

[1] 宝箱の罠の難易度、及び罠ダメージの威力
[2] モンスターの1グループ内の最大出現数(「難易度+4体」が最大数)
[3] 戦闘時の敵モンスターからの逃走成功率

異なる要素がひとつの難易度で決まるため、バランスの調整が難しい――が、基本的には「罠の難易度」を基準に設定しておくのが無難だろう。

ランダムテレポート」では、「宝箱のトラップ」(=テレポーターの罠)ならびに「戦闘中の強制移動」(=転移魔法「テレポーテーション」の使用)による転移先のフロアマップ番号を指定する。(※[00]の場合、城塞都市に帰還する)

フロアマップ内において、探索中&キャンプ中の「移動魔法」(=テレポーテーション)、ならびに「座標表示魔法」(=ウィザードアイ)の使用を禁止する場合は、当該のラジオボタンで[ON]を選択すればいい。

ただし、戦闘時における呪文「テレポーテーション」の詠唱(=ランダムテレポート)、及び帰還魔法「エヴァキュエート」については、この設定で「移動魔法」を禁止した場合でも通常通り使用できてしまう点に留意しておこう。

ランダムエンカウント無し」「友好的なモンスター無し」は文字通りの意味だ。当該の「フロアマップ」にそれぞれの設定を適用する場合、チェックを入れておく。

出現テーブル」の設定に関しては、以下のような3パターンの構成になっている。

No.1 モンスタールーム(黄)出現確率[0~100%]
No.2 モンスタールーム(緑)出現確率[0~100%]
No.3 モンスタールーム(赤)出現確率[0~100%]

モンスタールーム(黄/緑/赤)」は、後述する「マップ構造の作成」で設定する「玄室エンカウント」の種類を指す。

それぞれの「出現テーブル」に対し、事前に別途設定した「エンカウント番号」を割り当て、さらにモンスターの出現確率[0~100%]を指定する。

この「確率」を[99%以下]に設定した場合、フロアマップ上の「モンスタールーム」を設定したエリアに踏み込んでも、モンスターとの遭遇が発生しない可能性がある。

ちなみに、玄室エンカウント以外の通路上で発生する「ランダムエンカウント」で出現する敵モンスターについては、「出現テーブル」の[No.1]を参照する。

ただし、例外的に「モンスタールーム」が設置されたエリア内で発生する「ランダムエンカウント」に関しては、当該の「モンスタールーム」に紐付いた「出現テーブル」のモンスターと遭遇する仕様になっていることを覚えておきたい。

最大グループ数」は、敵モンスターの最大出現グループ数を制限する機能になる。この値が[06]ならば、最大「6グループ」の敵モンスターが出現し、[01]ならば、後続モンスターの設定の有無にかかわらず「1グループ」しか出現しない。

【重要】設定内容の保存について

なお、この「フロア設定」画面の入力内容は自動的に保存される。

――はずなのだが、現在のところ、設定対象の「フロアマップ」を切り替えたり他の編集画面へと遷移した際に、入力済み内容が保存されない現象を度々確認している。

保存ミスの回避手段として、手動によるセーブ機能も実装されているため、何らかの設定の変更を行った際には、必ず「保存する」ボタンを押すようにしておきたい。

なお、以下で説明する「マップ構造」を作成する段階においても、この「手動セーブ」機能の適切な使用による編集内容の「保存」を強く推奨する。

マップ構造の作成

それぞれの「フロアマップ」の基本設定を完了したら、次は画面の下半分に移動し、迷宮の「マップ構造」を実際に作成してみよう。

画面左のマップ一覧表示で、迷宮構造の設定対象となる「フロアマップ」の番号を選択し、「フロア概略」のプルダウンメニューで「マップ構造の作成」を選択する。

次に、画面の右側にあるメニュー項目から「部屋を配置」を選択し、入力する壁の種類を指定したら、マップ入力画面において、マウスのドラッグによる範囲指定でマップ構造を入力してゆく。細部については後から修正するため、全体の大雑把な構造を描くだけで構わない。

大まかなマップ構造を描き終わったら、次に「両側に壁(扉)を配置」をクリックする。

すると、先ほど「部屋を配置」で描いた壁のラインが、両側とも配置された状態になるはずだ。

マップ構造の細部を構築

フロアマップ構造の概要を描き終わったら、次は細かい部分の構造を形成してゆく。

扉を配置」オプションから扉の種類を選択し、マップ内の任意の壁に対して、マウスドラッグで各種の扉(標準の扉/飾り扉/透明な扉/アーチ)を配置する。

また、同時並行で「チップを直接配置」する機能を利用し、任意の「マップチップ」を選択したらそのままマップ内の座標をクリックし、細部の構造に修正を加えてゆく。特に左上の「空白」マップチップが消しゴムのように使えるため、非常に便利だ。

このマップ構造の細部を詰めてゆく作業に関しては、シナリオエディタの使い方に慣れるに従って、自分にとって最善のやり方が分かってくるはずだ。

「岩」や移動系のイベントの配置

マップ構造の構築を終えたら、迷宮構造の一部となるイベントを入力しておこう。

「フロア概略」のプルダウンメニューから、今度は「イベントデータの設定」を選択し、イベントメニューから任意のイベントを選択。先程構築したフロアマップ内に「」や「移動系」のイベントを配置してゆく。

「岩」については任意の座標に配置するだけだが、移動系のイベントについては、配置した座標をダブルクリックして設定画面を開き、移動先の「フロアマップ番号」や「座標」等を個別に指定する必要がある。

「床2」「天井2」「ダークゾーン」「テレポート禁止」の設定

「マップ構造の作成」から「その他」を選び、さらに当該のサブメニュー(床2/天井2/ダークゾーン/テレポート禁止)を選択し、任意の座標に設定する。

床2」「天井2」を設定した座標には、事前に「グラフィック」で選択しておいた、それぞれの「第二パターン」が適用される。

ダークゾーン」については特に説明不要だろう。文字通りの意味だ。

テレポート禁止」は、設定座標に対し、転移呪文「テレポート」や宝箱の罠「テレポーター」による侵入を禁止する機能である。その座標上において転移呪文が使用できなくなるわけではない。

モンスタールームの設定

いわゆる「玄室エンカウント」の発生する区域を指定する。

この設定に関しては「座標」単位ではなく、先に構築した迷宮構造の「部屋」単位で指定する。

「マップ構造の作成」から「モンスタールームの設定」を選び、最初に「配置の初期化」をクリックしておこう。

そして、事前に「出現テーブル」の設定で指定した3種類のエンカウントパターン(黄/緑/赤)を、任意の部屋に配置してゆく。

モンスタールーム(黄)>>>「出現テーブルNo.1」
モンスタールーム(緑)>>>「出現テーブルNo.2」
モンスタールーム(赤)>>>「出現テーブルNo.3」

ちなみに「モンスタールーム」の配置後に迷宮構造を修正すれば、その結果として「部屋以外の場所にモンスタールームを設置する」ことも可能だ。

また「モンスタールーム」の配置をやり直したい場合には、再度「配置の初期化」をクリックすれば、設定が初期化される。

以上で、「マップ構造の作成」は完了だ。

次回は「イベントデータの設定」を行う。

『ウィザードリィ外伝 五つの試練』Steam版シナリオエディタ非公式マニュアル